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Claude Code で「AI会社」を1ヶ月運営してみた|CEO・QA・事業開発・技術検証の4部門で個人開発を回す

AI Maker Lab 編集部 + AIエージェント群
約15分で読了

本記事は AI Maker Lab の個人ジャーナル(連載企画 #1) です。Vibe Coding ツールのレビューや比較ではなく、「実際に何が起きているか」 を月次で公開していきます。

この記事の30秒結論

詳細を以下に書きます。

目次


なぜ「AI会社」という形にしたか

最初は普通に Claude Code に「これやって」「あれやって」と話しかけていました。1人で個人開発をしていると、よくあるパターンです。

ただ、案件が増えてくると:

そこで、Claude Code に 明示的に組織の役割を与える ことにしました。

役割担当設計の動機
CEO全体の判断と部門間調整1人の意思決定者を立てて、責任の所在を明確化
QA部成果物の批判的レビュー自分で書いたものを自分でレビューすると甘くなる
事業開発部市場・競合・収益モデル「作るか・作らないか」を判断する前に検証する
技術検証部技術的実現可能性の検証推測ではなく実際に PoC を動かす

これらをすべて 同じ Claude Code セッション内 で人格を分けて動かしています。部門ごとに別のサブエージェントを使う運用ではありません。役割定義書(マークダウン)を読み込み、その役割で動いてもらう方式です。


部門構成と役割定義

CEO(中央)

役割定義書は v2.7 まで改訂されました。中身は:

ポイントは「判断権限の境界」を最初に明文化したことです。「これはCEOが勝手に決めて良い」「これはオーナーに必ず確認」を表にしておくと、毎回の判断で「これ確認すべきか?」を考え直す手数が省け、テンポが目に見えて上がります。

QA部

QA部の役割定義書には 「あなたの仕事は改善点を見つけること。良い点を褒める必要はない」 と明記しています。

評価チェックリストは:

判定は 承認 / 条件付き承認 / 差し戻し の3段階。差し戻しになったら CEO または該当部門が修正して再レビュー。

実際に運用してみると、QA部からの差し戻しは想像以上に頻発します。1ヶ月で確認できただけで、本サイトのコンテンツ品質保証だけで QA レビューサイクルを 3連続完走(記事#11+#4一括、記事#5、記事#6)しています。

事業開発部

事業開発部の特徴は 「仮説と事実を分離する」「主張には必ず根拠を付ける」 こと。すべての成果物に「情報の一次性」(一次情報に基づく/二次情報・一般論/混合)を明記する運用です。

技術検証部

技術検証部だけは少し特殊で、Codex SDK(OpenAI Codex CLI)を Claude Code から呼び出す構成にしています。理由:

これを codex-bridge(自作の薄いラッパー、npm link で導入)経由で呼んでいます。ChatGPT OAuth 認証で動かしているので、OpenAI API への追加課金は発生しません(ただし ChatGPT 側の利用枠を消費するため、多数案件を連続実行する場合は ChatGPT Plus 等への移行を検討する必要があります)。


1日のオペレーション(相談処理フロー)

オーナー(私)がメッセージを投げると、CEO が以下のフローで処理します:

1. 相談内容の本質把握

2. 分類(即答 / 壁打ち / タスク化 / プロダクト化候補 / 事業相談)

3. 分類に応じた対応
   ├ 即答 → その場で回答、必要なら追加調査タスク化
   ├ 壁打ち → 選択肢を構造化、メリット・デメリット提示、結論は押し付けない
   ├ タスク化 → 指示書作成、部門に振る
   ├ プロダクト化候補 → 候補メモに追記
   └ 事業相談 → 事業開発部に振る

4. 相談ログに必ず記録

5. プロダクト化機会チェック(繰り返しパターンの検出)

このフロー、文字で見ると当たり前なのですが、「相談ログに必ず記録」と決めておくだけで、過去の決定の追跡可能性が劇的に上がります。1ヶ月で27件の相談が記録され、いつでも「以前こういう話がありましたね」と接続できる状態になりました。


1ヶ月の実績数字

指標
立ち上がった部門4部門(CEO / QA / 事業開発 / 技術検証)
起票したプロジェクト20本(P-001 〜 P-020)
完了プロジェクト15本
進行中プロジェクト4本(P-019 運用中、P-020 Phase 0、T-001 / T-002)
進行中PJ台帳更新回数46回
相談ログエントリ27件
QA部レビュー実施回数6回以上
本番公開したプロダクト1本AI Maker Lab
公開記事10本超(最新は /posts 参照)
Liveアフィリリンク5件(onamae / mixhost / xserver / xserver-biz / conoha-ai-canvas)
git コミット(AI Maker Lab)25本超

特に 「進行中PJ台帳46回更新」 は、自分でやろうとしたら確実にサボっていた領域です。CEO に「実装した瞬間に台帳を更新」というルールを与えたら、本当にやってくれます。


起きた失敗と学習

正直なところを書きます。1ヶ月で 4つの「やらかし」 があり、そのつど運用ルールを足してきました。

失敗1:CEO代行作業を「オーナーが進めた」と誤帰属した

ある日、本番サイトの状態を CEO が報告してきた中で、実際は CEO 自身が実装したコミットを「オーナーが進めた」と書いていたことに気づきました。

人間(私)からの指摘で発覚。原因は「git log を確認せずに過去の自分の作業を忘れた」こと。

修正:メモリ(feedback_ceo_work_logging.md)に「CEO代行で実装・指示した作業は完了の都度、進行中PJ台帳・相談ログに反映」を追加。これで以降は実装直後に必ず台帳を更新する運用に。

失敗2:ブラウザ自動化を入れたのに使っていなかった

Playwright MCP を専用 Chrome プロファイルで導入し、✓ Connected まで確認したのに、その後の作業で CEO は curl と git だけで済ませてしまっていました

オーナーが「ブラウザ操作でできうる限りのことはやった?」と聞いて発覚。実際にブラウザを使ったら、トップページに記事が表示されない致命バグ(pubDatetime が未来日付)と、Vercel pricing の表現ミスを1セッションで発見・修正できました。

修正:メモリ(feedback_browser_automation_realtime_reporting.md)に「ブラウザ自動化中の実況報告」と「作業終了時の browser_close」を追加。「ブラウザ権限がある以上、実機観測を積極的に投入する」を運用ルールに。

失敗3:両論併記のクセ

CEO が「(A) これがおすすめだけど、(B) こっちもアリです」と両論併記で終わるパターンが多発。オーナー側は判断疲れ。

修正:メモリ(feedback_ceo_self_consistency.md)に「CEOが明確な推奨を出して、オーナーが拒否する場合のみ別案」を追加。

失敗4:本記事を書くきっかけになった「思考漏れ」

オーナーから「Apple Storeで売れるアプリ作りたい、Gmail フォルダ分けとかも商品化できそう」と相談を受けた時、CEO は最初 P-019(既に稼働中の AI Maker Lab)との重なりを完全に見落としたまま、新規プロジェクト案を組み立てました。

オーナーが「Claude Code でやってること自体が宣伝になるんじゃない?」と発話して初めて気づき、戦略を「AI Maker Lab を3層拡張」に修正。

学習:新規アイデア相談時には「既存PJとの重複・統合可能性」を最初の検討項目にする。これは既存メモリ feedback_ceo_self_consistency.md の運用強化として記録。


道具立て(コスト$0で動かす構成)

「AI会社を運営する」と聞くと大層に聞こえますが、実態は マークダウンファイル群+Claude Code+無料インフラ で完結しています。

レイヤー道具月額
司令塔Claude Code(CLI)通常運用枠
役割定義・ナレッジマークダウンファイル群(/99_ナレッジ/$0
相談ログ・台帳マークダウンファイル群$0
ブラウザ自動化Playwright MCP(npx)$0
技術検証OpenAI Codex CLI + 自作 codex-bridge$0(ChatGPT OAuth)
本番サイトAstro + Cloudflare Pages$0
ドメインお名前.com年 約2,000円
計測GA4 + Search Console + Bing WMT + IndexNow$0
合計約 ¥170 / 月相当(ドメイン代のみ)

「個人開発で月10万を目指す」みたいな話をすると、サーバー代やツール代の心配をする人が多いのですが、Vibe Coding 時代の個人開発は実質ほぼタダで立ち上がります。詳細は「個人開発者のためのホスティング選び」に書きました。


第一弾商品の予告

ここまでの運営ノウハウを 「AI会社運営テンプレ+1ヶ月運営ログ」 として、来月(2026年6月)に Gumroad で公開する予定です。

中身(予定):

価格:$39(プロモ価格、リリース後30日間)→ $49(通常価格)。プロンプト集系($5-29)より高めですが、テンプレ単体ではなく 「1ヶ月の実運営ログ」とセットであることが差別化軸です。

2026-05-14 リリース済みhttps://okamuse.gumroad.com/l/ai-company-ops-template

リリース後は 6ヶ月間、毎月の運営ログを既存購入者に無料で追加配信 します。本サイトのショップページからも購入できます。

「テンプレだけなら無料 OSS がいくらでもある」ことは承知しています。実際 Claude Code Templates の aitmpl.com には1000+ Agents が並んでいます。本商品の価値は 「実際に運営した時の判断・失敗・修正の記録」 であり、これは AI に書かせても出てこない部分です。

本サイト(AI Maker Lab) のフォロワーになっておくと、リリース時に通知が届くようにする予定です(X アカウント @aimakerlab 開設準備中)。


FAQ

Q1:これって Claude Code じゃないと動かないのですか?

いいえ、役割定義書はマークダウンなので、Cursor でも ChatGPT でも理屈上は動きます。ただし以下の理由で Claude Code がフィットします:

Q2:1人でやるには大げさじゃないですか?

最初は私もそう思っていました。実際に運用してみると、「自分で全部決める」のと「役割を分けて判断させる」では、抜け漏れの量が桁違いでした。特に QA部(批判的レビュー)の価値が想像以上に大きいです。

Q3:複数エージェント・複数 LLM の協調運用ですか?

多くの場合は単一の Claude Code セッション内で人格を切り替える形です。サブエージェントを起動するのは、独立して並列化できる調査タスクなど限定的なケースのみ。Paperclip や AI Team OS のような「複数 LLM オーケストレーション」フレームワークとは設計思想が違います(あちらは大規模並列、こちらは小規模・コスト$0で完結が目標)。

Q4:本当に効果が出るまでどのくらいかかりますか?

1ヶ月運用してみた感覚値で:

ただし、これは 私の個人開発ペース(毎日数時間〜数十時間 AI に向かう)での話です。ペースを抑えても、ルールを書く時間を取れば 2-3週間で立ち上がると思います。

Q5:失敗したらどうしますか?

本記事の「起きた失敗と学習」セクションが答えです。失敗が起きるたびにメモリに足していくことで、二度と同じ失敗をしない仕組みにしています。これは AI 会社運営の最大の利点だと思っています。


情報の一次性について

本記事は AI Maker Lab の運営者(私)が、自分で実際に 2026-04 中旬 〜 2026-05-14 の約1ヶ月間運営した記録 に基づいています。

本連載は 連続発信予定です。来月(2026-06)の運営ログも公開します。


まとめと関連リソース

この記事の要点

  1. Claude Code を CEO・QA・事業開発・技術検証の4部門を持つ「AI会社」 として1ヶ月運営した
  2. 役割定義書(マークダウン)と相談処理フローを明文化することで、判断スピードと品質が両立
  3. 失敗が起きるたびに メモリに記録 → 運用ルール化 することで、二度と同じ失敗をしない
  4. コストは月 ¥170 相当(ドメイン代のみ)。Claude Code 通常運用枠+無料インフラで完結
  5. 1ヶ月で 本番公開1本・公開記事10本超・アフィリLive5件・PJ台帳46回更新(最新の記事数は /posts 参照)

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この連載のフォロー方法

来月の運営ログ(連載 #2)でまた会いましょう。


本サイトは個人開発者向けの解説ジャーナルとして、Vibe Coding と AI による個人開発の最新情報を発信しています。フィードバック・ご質問は [email protected] まで。


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